この1ヵ月、悩んでいました。
「書く」ことを仕事にして4年目にして、「これでいいんだろうか」という躓き。自分の書くもの、文章、すべてが陳腐に見えて、とても行き詰まっていた、と思う。
自分の力を磨こうと、素敵なものを読めば読むほど、自分の書いたものがちっぽけに見える。このままでは続けられない、そう感じはじめた中で、一冊の本を買っていたことを思い出しました。
『永遠のソール・ライター』。
2020年1月9日から3月8日までやっていた「永遠のソール・ライター」展を見に行きたかったのだけど、開催中止になってしまったので、図録を買った。
私は、ソール・ライターのことをまだよく知らない。SNSで見て、「この写真、好き! 」と思ったのがきっかけで、興味を持った。
実は、手元に届いてからもう1ヵ月以上経つのだけど、息抜きに手に取ってみた。
はじめて見る、ソール・ライターが切り取った世界。
なんでもない日常の“ドラマチック”を切り取る写真家なんだな、こんな写真が撮りたいな、そのくらいの気持ちだった。写真を堪能できればそれで良かった。
でも私は、この一冊に救われることになる。
人々が深刻に受け止めていることを見てみると大半はそんなに深刻に受け止めるに値しない。
重要だと思われていることもたいていはそこまで重要じゃない。
大半の心配事は心配に値しないものだ。
自分がしていることに対して、深い説明を避けてきた。
私はちょっと、考えすぎていたのかもしれない。
聞かれたら、自分がやっていること、やってきたことを説明しなければいけないと思っていたけど、別にいいんだ。
ただ、感じたものをポン、ポンと残していく。なんてことない小さなことでも、「書こう」と思ったら、綴ってみる。完璧じゃなくていいから。
『永遠のソール・ライター』。
これは、私の人生において大切な一冊に違いない。未来で振り返ったとき、「あの本に出会えてよかった」ずっとそう思んだと思う。